食物アレルギー

食べたものがからだのなかでアレルギー反応を起こし、いろいろな症状が出る病気。乳幼児の場合は皮膚や消化器の症状としてあらわれることが多い。年長児にも皮膚や消化器、呼吸器などの症状としてあらわれる。

症状

とくに思いあたる病気や原因がないにもかかわらず、下痢または便秘が続く、あるいは両者を交互に繰り返すなどの症状がみられ、ほとんどの場合、アトピー性皮膚炎を併発。乳児の場合は嘔吐を伴うこともある。

原因と治療

腸に入ったたんばく質の一部が分解されずにそのまま吸収され、これがアレルギー反応を起こす物質(抗原として働く。

原因となる食べ物で最も多いのが卵、牛乳、大豆などである。治療は原因となる食べ物の除去だが、乳児で母乳栄養の場合、母親にアレルギー疾患があると、母乳を介して子どもにもアレルギーが出ることがあるので注意を要する。

人工栄養児でミルクアレルギーをもつ場合はアミノ酸ミルクに変更する。また、年長児で症状の軽い場合、厳しい除去食は精神的ストレス、低栄養となる。医師とよく相談することが大切である。

感染性消化不良症

急性胃腸炎がさらに進行すると感染性消化不良症を引き起こす。細菌性の場合とウィルス性の場合があり、激しい下痢と嘔吐を伴う。

症状

便が水のようになり、1一日10回を超えることもある。嘔吐の回数も増え、水を与えても吐いてしまう。症状が進むと、黄色胆汁様、コーヒー残渣様のものを吐く。
なかには下痢や嘔吐がもっと軽い場合もあるが、このような症状に加、え、次のような症状があらわれてくる。ぼんやりとしてうつろな目つきとなり、まばたきも少なく、眠った状態になっていくか、あるいは、不機嫌に泣き、ときには全身のけいれんを起こす。
脈は速く弱く、進行すると触れなくなってくる。循環障害もみられ、チアノーゼがあらわれてくることもある。

治療

重症では入院が必要。点滴輸液、抗生物質、食事療法が有効だが、早期であれば経口補液でも改善する。

予後

合理的な輸液治療がなかったころは死亡率も高かったが、今は早期診断・早期治療を行えば心配はない。

赤痢

赤痢菌が原因で起こる伝染病のひとつで、経口感染によって広がり、集団発生しやすい。赤痢と診断がついたら、すぐに隔離入院させる必要がある。
幸い、最近はきわめて少なくなったが、東南アジアなどからの帰国者が持ち込むケースがときどきみられるので、注意が必要。

症状と原因

赤痢菌の腸内感染によって発病。潜伏期間はふつう1~7日だが、12~32時間というときもある。急に発熱するケースが多く、ゾクゾクする寒けを伴い、数時間後には腹おうと痛、嘔吐、下痢などが起こる。

1回の排便の量は少ないが、排便回数が1日5~10回に及ぶ場合もあり、肛門脱を起こすことがある。また、優には血液やうみが混じるようになる。さらに、意識混濁やけいれんなどの脳症状や、脆が多く弱くなる、皮膚が蒼白になるといったチアノーゼを示し、手足が冷たくなる循環障害なども起こす。死亡率は高く、気管支炎や肺炎を併発する恐れもある。

治療

赤痢には抗生物質が有効だが、耐性ができやすいので、徹底的に治療しなければならない。食事は12~24時間は与えないで、その後少しずつ、番茶、おも湯、牛乳などを与えていく。便の状態がよくなり、食欲も出てきたら、食べ物の質をよくし、量も増やして栄養状態に注意する。