風疹

幼稚園や小学校で5~10年周期で流行する。原因は風疹ウィルスで、一度感染すると二度かからないが、乳児期での感染では再感染もある。

症状

発熱とともに全身にピンク色のあわ粒か、それよりもやや大きめの発疹が出る。耳の後ろや首、わきの下などリンパ節がはれるのが特徴で、これが診断の目安となる。

熱は出ないこともあり、出ても38度くらいまでのことが多い。2~3日後に熱は下がり、発疹も消える。あとが残ったり皮がむけることもない。

治療

特別の泊療は必要なく、2~3日安静を守れば治ってしまう。熱が38度を超えた場合には、からだを冷やすようにする。

予防

免疫のない妊娠初期の女性が感染すると、胎児に感染して、白内障、心臓奇形、聴力障害などの先天性風疹症候群にかかった赤ちゃんが生まれる恐れがある。

予防接種により、今ではかなりの成人女子が免疫をもっているが、必ず妊娠前に検査をしておく必要がある。生後12ヶ月を過ぎた子どもや、風疹抗体をもっていない妊娠前の女性は予防接種を受けておきたい。

はしか

近ごろは予防接種の効果でだいぶ減ってきているが、母親に免疫がない子どもや、6ヶ月すぎのワクチン未接種者にみられる。麻疹ウィルスによる飛沫感染が原因で、一度かかると終生免疫を得る。

症状

かぜによく似た症状で始まる。38度以上の発熱、せき、くしゃみ、鼻みずなどの上気道の症状と「目やに・目の充血、涙目」などの結膜の症状が出る。

このころ、頬の裏の粘膜にコプリック斑と呼ばれる白点がみられる。発熱後2~3日で、熱は一度下がる傾向を示すが、再び上昇する。
前より高熟になるころ、顔や耳の後ろ、首のあたりの皮膚に赤い発疹があらわれ、2日以内に全身に広がる。発疹は小さく、はじめは鮮紅色をしているが、まもなく暗赤色になり、熱が下がるころ、色が薄くなる。

褐色の色素沈着が1~2週間残る。ときに重症の後遺症がみられることもある。

治療

安静と水分補給が大切。ふつうは発疹が出てから1週間ほどで治るが、中耳炎や肺炎、脳炎、まれに亜急性硬化性全脳炎を併発しやすいので必ず医師の治療を受ける。
対症療法としてせき止めを用い、合併症予防に抗生物質なども用いられる。

予防

生後9~12ヶ月にワクチンを接種し、その後3~5歳の間に2回接種を行うのが望ましい。たまに発熱、発疹などの副反応が出るが心配ない。

水疱瘡

水痘帯帯状疱疹ウイルス(VZV)による感染症。接触や飛沫感染によって伝染する。強い伝染力をもつため、保育園などの集団生活で容易にうつってしまう。

症状

冬から春先にやや多く、潜伏期間は二2~3週間である。発病すると発疹が胸、腹部から全身に広がり、顔、手足、口腔内や外陰部、まぶたの真にもみられる。

発病は小さな紅斑で始まり、やがてその一部が盛り上がって丘疹となり、さらに水疱となる。水梅はやがて破れてかさぶたになる。その間はかゆみが激しいため、かきむしってしまうと、化膿してあとが残ることがある。

発疹のピーク時には、紅斑、丘疹、水疱、かさぶたなどが混在するのもこの病気の特徴である。

はしかと同様、一度かかれば終生免疫を得るが、ウィルスが脊髄の神経節に潜むと、年長児や成人になって免疫が低下したり、再感染したときに、帯状砲疹として再びあらわれる。

治療

アシクロビルが有効で、発疹が化膿した場合には抗生物質が用いられる。発疹を爪でひっかくと化膿するので、爪を短く切り、清潔にしておく必要がある。

また、水痘ワクチンは90% 以上の有効性がある。小児がんや白血病、ネフローゼなどで免疫抑制剤を使用しているために、免疫が低下している子どもの場合には、重症化して死亡する例がある。また新生児や栄養状態の悪い子ども、成人は重症になりやすいので気をつけたい。

突発性発疹

1歳以下の乳児によくみられる(98%)。生まれて初めての高熱(39度以上)を出したときに起こることが多い。熱は3~4日続き、熱が下がるころに発疹があらわれる。高熱のわりには元気である。

症状と原因

突然、発熱し、眠ってばかりいたり、不機嫌、下痢などの症状がみられ、ときには熱性けいれんもみられる。

熱が下がるころに風疹様の発疹が全身にあらわれ、3日くらいで消失する。ヒトヘルペスウイルス6または7の感染が原因である。

治療

ふつうは発熱の対症療法のみで、余病も併発しない。ただし、けいれんが起きた場合は医師の診察を受ける。

水いぼ

皮膚が半球状に丸く盛り上がった、表面に光沢のある丘疹。中央がへこんで見えることもあり、5歳以下の乳幼児に多くみられる。

症状

体幹や手足に散在することもあれば、固まってあらわれることもある。水いぼ自体にかゆみはないが、アトピー性皮膚炎の子どもがかかると、アトピー性皮膚炎の強いかゆみのためにかきくずして症状を悪化させる。

また、アトピー性皮膚炎をもっている子どもは、皮膚の抵抗力も低下しているため、水いぼもできやすい。いぼが壊れるとラードのような白色の内容物が出て、これがほかの部位に広がり、全身に及ぶこともあるが、放置しても半年~1年で自然に治ることもある。

原因

伝染性軟属腫ウイルスなどボックスウイルスの皮膚感染が原因。集団生活や水泳教室でうつることが多い。

治療

数が少ないうちはピンセットでつまみ取り、消毒する。多い場合は取るか、自然治癒を待つかを医師と相談する。ほかに硝酸銀溶液を塗ったり、液体窒素で凍結する方法がある。

あせも(汗疹)

夏に多い皮膚病の一種。もともとよく汗をかく乳児に多いが、子どもの年齢に関係なく発病する。

症状

子どもに多くみられるのは赤いあせも(紅色汗疹)で、頭、顔、胸、背中、衣類とすれる場所にできる。突然、多数の赤いブツブツができてかゆがり、涼しくなると軽くなるのが特徴である。

原因

高温のとき、汗が十分に出れば問題はないのだが、汗が出る管の出口がなんらかの原因で詰まり、汗が皮膚のなかにたまるために起こる。

治療

軽いうちはベビーパウダーが効果があるが、つけすぎは禁物。かゆみがひどい場合は副腎皮質ホルモン外用剤が有効だが、3日経っても症状がひどい場合は医師に相談する。

予防

汗をかかないように、涼しくしてやること、不注意な厚着、加温を避けること、吸湿性のよいもめん類の衣類を使用することなどが効果的な予防法だ。
シャワーを浴びたり、冷たいタオルで汗をふき取るのもよい。皮膚の乾燥を心がけ、涼しく過ごさせる。

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小児ストロフルス(虫さされ)

1歳くらいから幼児期に多い。春から夏にかけて発症し、虫さされに対する過敏症と考えられている。

症状と原因

おもに手足に、あずき大のブツブツができて、とてもかゆがる。原因はノミや蚊、ダニ、毛虫などの虫さされによる皮膚自体の反応が慢性的に続いたものと考えられている。

治療

抗ヒスタミン剤や副腎皮質ホルモン剤を用いる。

生活の注意

ノミやダニを駆除し、虫さされを防ぐことが何よりも大切。かきむしって細菌感染を起こし、とびひとなることもある。虫に刺されたら、かゆみ止めを塗り、夜眠っている間にかきむしらないように手袋をさせるなどして、悪化させないように注意する必要がある。
強いかゆみにはステロイド、乾燥なら保湿剤を使うかゆみ止め薬

皮膚カンジダ症

オムツかぶれの症状に似ているが、皮膚カンジダ症は、赤みが点状で盛り上がっており、しだいにはがれ落ちて紅斑となる。

原因は便中のカンジダ菌(カビの一種)。

オムツを当てているおしりは、ただでさえカピの繁殖に適している。体力の低下時や入浴しなかったことなどがきっかけでカンジダ菌が異常繁殖し、皮膚の表皮、角層に侵入して炎症を起こす。

予防としては、オムツかぶれ同様、オムツをこまめに交換する、おしりが汚れたら洗う、通気性のよい天然素材のオムツカバーの使用などが効果的。また、カンジダ菌の繁殖を促進する副腎皮質ホルモン剤をむやみに使わないことも大切である。

アトピー性皮膚炎

症状

乳児の場合、頼や額を中心に、頭や耳のまわりに赤く小さなブツブツができ、ジクジクしたり、かさぶたにしろ、つなったり、脂漏を伴う場合もある。首まわりやわきの下、手足の関節部分、足のつけ根に出ることもあり、かゆみが強いため、かいたり頭をこすりつけたりして不機嫌になる。

幼児期になると、一般に顔には少なくなるが、首や体中の関節に多くなり、ジクジクするよりはむしろ乾いてカサカサし、粉をふいたように見える。

小学生以降ではさらにザラザラする感じで、梨の皮のような皮膚になる。とくに関節の内側が赤く厚ばったくなり、手首や足首、ひじやひざ、首のまわりがひどく、かゆみのためひっかき傷が重なったりする。顔もはたけのようにかさついて、耳たぶの下が切れやすくなる。ふつうは成長とともに軽くなり、15歳ごろには目立たなくなるが、成人まで続くこともある。

原因

生まれつきのアレルギー体質に、牛乳、卵白、大豆などの食物抗原(アレルゲン)やダニ、カビをはじめ、何かの刺激が加わって起こると考えられている。
家族や近親者にぜんそくやアレルギー性鼻炎といったほかのアレルギー疾患をもつ場合が多く、ぜんそくやアレルギー性鼻炎に移行したり、それらを合併することが多い。

治療

原因となるアレルゲンを調べ、それを除く方法や抗アレルギー剤の服用、年齢や症状に合わせた対症療法がある。対症療法には非ステロイド剤や副腎皮質ホルモン剤などの軟膏が用いられる。

症状がおさまっても、薬をやめると再発することが多いので、根気強い治療が必要である。なお、この病気をもつ乳児は、幼児期には気管支ぜんそく、学童期からはアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎に移行していくことがある。

このように、アレルギー疾患がかたちを変えてあらわれることをアレルギーマーチ(アレルギーの行進)と呼んでいる。アトピー性皮膚炎と気管支ぜんそくが合併したときは、治りにくいぜんそくとなることが多いので注意を要する。

生活の注意

衣類は木綿のような柔らかさで静電気を起こさず、吸湿性に富むものを選ぶ。入浴はよいが、香料の少ない石けんや弱酸性石けんを用る。皮膚を清潔に保ち、医師の指示どおり薬を用いることが大切である。

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とびひ

おもに黄色ブドウ球菌によって起こる伝染性の皮膚病で、小さい傷や虫さされなどをひっかいて菌が侵入する。夏に多くみられるものである。

症状

突然、大小さまざまな水疱が顔やからだのいたるところにあらわれる。水疱は破れやすく、ただれて、そのうちかさぶたになる。水疱のなかに菌がいるため、破れると健康な部位について、どんどん広がっていく。ひどいかゆみではないが、かいてほかの皮膚にうつさないように注意する。

予防

夏、かゆみを伴う皮膚病にかかったり、虫に刺されたとき、あるいは傷ができたときはすぐに治しておく。爪を切り、手を清潔にしておくことも大切である。
ひどいときは入浴は控えるが、シャワーはよい。ふだんから入浴、肌着の交換をこまめに行い、皮膚を清潔に保つように心がけることが大切である。

治療

適切な治療を行うと、とびひはすぐに治る。抗生物質が入った軟膏をガーゼにのばして患部に貼る。そのとき水ぶくれの汁が周囲につかないように気をつけなければならない。
なお、抗生物質を内服するほうが早く治る。薬や軟膏は選択が必要なので、素人判断をせず、医師の指示のもとに治療することが望ましい。
ほぼ1週間ほどで治るものだが、しばしば家族内の子どもに感染することがあるので気をつけたい。