症状
意味もなく目をパチパチさせたり、肩をすくめたり、口を曲げたり、顔をしかめたり、という動作が突然起こり、無意識に頻繁に繰り返す状態をチックという。
5~10歳の男児に多くみられるが、子ども自身は意識せずにいるため、やめるように注意しても止まらないばかりか、よけいひどくなることがある。眠っている間は起こらない。
原因
神経の病気ではなく、潜在的な不安や欲求不満、寂しさ、周囲の人への嫌悪や反抗など心因性のものが原因となっている。性格的には落ち着きがなく、飽きっぽく、わがままで、かつ、神経質で、感じやすく、傷つきやすい気弱な子どもに多くみられる。また過保護で母親が口うるさい家庭の子どもが多い。
治療
原因を取り除けば、自然に治るものだが、実際に治すには時間がかかる。症状が出ても、制止したり、叱ったりしないで、逆にチックの動作を気にせずに対応し、子どもの心のなかにある不安は何かを素直に考えて、少しずつ解消するように努力することが大切である。
治りにくいときは、小児精神科の専門医の心理療法を受けたり、精神安定剤を用いたりする。脳波に異常のあるタイプもあるので、場合によっては脳波検査も必要となる。なお、幼児期(6歳以下)の場合は、一時的なもので、予後は良好である。