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小児糖尿病

子どもの糖尿病は、幼児期から小学校低学年に発病するものが多く、膵臓から分泌されるインスリン不足によるインスリン依存型(Ⅰ型)がほとんどで、中学生くらいになると、成人にみられるインスリン非依存型(Ⅱ型・成人型・肥満型)が多くなる。

症状

急激に発病する。しきりに水を欲しがる、尿の回数が増える、夜尿となる、疲れやすくなる、体重が減るなどの症状が短期間にあらわれる。意識がなくなって初めて気づくというケースも多い。
意識が不明瞭になると、やがて昏睡状態に陥る。この症状があらわれたら生命の危険もあるので、急いで入院治療をしなければならない。

原因

遺伝的な要因が強く、ウィルス感染による自己免疫で膵臓のβ細胞が破壊されることが関係しているのではないかとも考えられている。

診断

診断は尿糖の有無と血糖の検査、糖負荷試験による。

治療

最初は入院治療が必要でインスリンの皮下注射が行われる。目的はインスリンの量を加減することによって、糖の代謝を調節するためである。というのも、インスリンが不足すると病状が進行し、多飲、多尿、昏睡などの高血糖症状を起こす恐れがある。逆にインスリンが多すぎると、血糖値がどうき下がりすぎて、冷や汗、動悸、ふるえなどの症状(低血糖症)がみられ、ついには意識障害やけいれんを起こしてしまうからである。

インスリン注射の量には十分に気を配らなければならない。また、この注射は一生続けなければならないので、家庭でも注射できるようにしておく必要がある。そのさいにも、、量は医師の細かい指示を受け、それを厳重に守ることが大切である。

多くの場合、治療開始後、数週間から数ヶ月の間にインスリン注射の量が減っていき、なかにはほとんど注射が必要でなくなることもある(緩解期)。この状態が敷か月から1~2年続いて、再びインスリンの量が増えていく。

もし、インスリンが過剰になり、低血糖になってしまった場合は、飴や砂糖水を口にふくませるなどの救急の処置が必要である。子どもに角砂糖などを常時持たせ、気分が悪くなったら食ベさせるようにする。糖尿病手帳を持たせたり、糖尿病サマーキャンプに参加させたりすることも大切である。成人型は多くの場合、食事療法、適度な運動で改善する。

生活の注意

家庭では、朝、昼、夕食後の1日3回、市販の試験紙などで尿糖の測定を行って、糖のコントロール状態を毎日チェックし、必要に応じてインスリンを注射する。

また、食事や運動も重要な役割を果たすので、家庭では細心の注意を払う。食事は、成人の糖尿病ほど厳格なものではないが、おもに糖質(炭水化物)の量を控え、年齢の必要に応じて全体の総熱量をとるようにする。

具体的な内容は医師や栄養士の指導をあおぐ。運動を行うことで最小限のインスリン量で大きな効果があげられるため、日常の運動療法も欠かせない。食後一時間くらい、毎日続けられる手軽な運動を行、りとよい。ただし、運動後は食欲が増すので、過食には十分注意する。インスリン注射と食事、運動を適切に行えば、ふつうの日常生活をしてもさしつかえない。ただ、かぜをひいたり、高熱を出したりしたら、インスリン量を増やす必要があるため、そのときは医師の指示を受ける。

また、湿疹やおできができやすいので、欠かさず入浴させるようにしたい。

合併症

全身の血管障害を起こし、腎障害を合併するので気をつける。

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精神発達遅滞

神発達遅滞とは、何かの原因によって、精神の発達が妨げられ、知能に障害がみられる病気である。知能指数の程度によって、最重度、重度、皇守度、軽度というように4段階に分けられている)。

発見

一般に重症の場合には、けいれんを起こしやすいなど脳の障害や、奇形、内臓の病気などによって、生後まもなく発見されることが多い。しかし、軽症の場合は、乳幼児健診でも発見されないで、学泰期になって初めて判明することがある。

原因

胎児期における感染や中毒、先天性代謝異常、遺伝子染色体異常、出産時の障害や頭部外傷などのほか、まれに遺伝、あるいは乳幼児期の脳炎、髄膜炎、はしかなど感染症の後遺症が原因となって起こるものである。

治療

この病気の場合、ほかの一般の病気を治療するという意味での治療法はなく、子どもの障害の程度に合わせて、将来を展望したうえでの育児法を学ばなければならない。その意味でも早い時期に気づき、障害をできるだけ軽度にとどめる努力をする必要がある。

発育や機能の発達をふだんから注意深く観察して、もし異常が疑われるようなら、早めに小児精神科医の診察を受けるようにしたい。そして、身体的な障害がある場合には、その治療を行い、同時に、できるだけ多くのことを見たり聞いたりさせて、毎日の生活を豊かにしてやることが大切である。しかし、無理に押しっけたり、また一度にたくさんのことをさせるのは逆効果である。専門医や児童相談所などの専門家とよく相談して、その子どもに合わせた育て方をすることが大切である。

親として、どのような人間に育ってほしいのかとい、孝之方や願いが、そのままその子どもの人格形成に反映するのだということを忘れてはならない。

予防

発生の予防が重要なことはいうまでもない。そのために、いろいろな方策が講じられている。精神発達遅滞の原因のひとつである、フェニールケトン尿症などの先天性代謝異常の早期発見と早期治療のほか、未熟児の出生予防、胎内ウィルス感染の予防、羊水診断による染色体異常の早期発見などが行われている。

甲状腺機能亢進症

甲状腺は下垂体の甲状腺ホルモンの支配を受けて甲状腺ホルモンを分泌するもので、たんばく質の代謝や骨の成長の調節にかかわりがある。
このホルモンが過剰に分泌されるものを甲状腺機能亢進症といい、自己免疫疾患のひとつである。10歳以上の女子、とくに思春期以降に多くみられる病気で、ほとんどの場合、甲状腺のはれを伴ってあらわれる。

症状

疲れやすい、落ち着きがない、食欲は増進しているのに、やせてきた、イライラして性格が変わった、学業成績が落ちてきた、脈が速い、皮膚が汗ばむ、などの症状と、成人ほどではないが甲状腺のはれや眼球突出などがみられる。

また、思春期ごろに、このような症状を伴わないで、甲状腺が大きくはれることがある。これは思春期単純性甲状腺腫と呼ばれ、成長に伴って相対的に甲状腺ホルモンの量が不足し、甲状腺が代謝的に肥大する病気。甲状腺の機能に異常はなく、成長するにつれて自然に治ってしまう。

治療

抗甲状腺剤を2年ほど継続的に服用すればほとんど治るが、甲状腺のはれや眼球突出は消えにくい。甲状腺のはれが大きい場合、また、6ヶ月以内に症状が安定しない場合はほかの治療法となるが、甲状腺機能低下症を残すことがある。