2015年 9月 の投稿一覧

多発性神経炎・ギランバレー症候群

どちらも末梢神経が広い範囲にわたっておかされ、四肢の運動まひが左右対称にあらわれる病気である。

症状

手や足の先がしびれたり、感覚が鈍くなったり、筋力が低下、筋肉が萎縮しはじめる。これらの症状は、四肢の末端からしだいに全身に広がる。ギラン・バレー症候群では、軽い発熱や頭痛、のどの痛みのあとに起こる。

原因

化学薬品などをはじめとしたさまざまな中毒、糖尿病などの代謝異常など原因がわかる場合と、原因不明の場合がある。またこのうち、おそらくウィルスが原因だろうといわれているのが、ギラン・バレー症候群である。

治療

原因が明らかな場合はその治療が先決。ギラン・バレー症候群ではステロイド剤の服用が有効である。

腕神経叢まひ

症状

まひを起こした場所によってけい異なり、上位型では第五および第六頸椎の脊髄神経根に、下位型では第八頸椎と第一頸椎脊髄神経根に、全型では第五から第八頸椎の脊髄神経根と第一胸椎の脊髄神経根に、それぞれまひがあらわれる。
また外傷性の腕神経叢まひでは、外傷の程度が強い場合に神経が根もとから引き抜かれてしまうこともあり、きわめて重いまひがあらわれる。

原因

腕に延びる神経が、首と鎖骨の間に集まってできた神経の束を腕神経叢という。腕神経叢まひは、この神経が強く引っばられたことが原因で起こる病気で、出産などによって起こる分娩まひと、オートバイで転倒したときなどに起こる外傷性まひに分けられる。どちらのタイプも、まひの分布状態によって、上位型と下位型、および両者をあわせた全型に細分される。

治療

まひの程度が軽い場合には、薬物療法や電気療法などが行われる。そして、もしも神経が途中で切れてしまっていたら、神経移植を行う。
一方、神経が根もとから引き抜かれてしまっている場合には、その神経を元どおりにすることは不可能で、肩関節固定術や肋間神経の移行術、神経筋移植術などが行われる。

月状骨軟化症

症状と診断

手首の関節痛があらわれるとともに、手首が自由に動かなくなる。診断ではⅩ線撮影が行われ、つぶれた月状骨の影がはっきりとあらわれる。

原因

手首にある月状骨が、細菌に感染したわけでもないのに壊死を起こす病気である。手首を酷使する職業の人に多くみられる。

治療

現在のところ決定的な治療法は見つかっていないが、そのままでも日常生活で不便を感じることはあまりないので、とくに手術を必要とするケースは少ない。仕事上、どうしても手首を使うことが多い場合には、医師に相談することが望ましい。