2018年 1月 の投稿一覧

リンゴ病

小学校で流行することが多く、学級閉鎖をする場合もあるが、はしかおたふくかぜ水ぼうそうほど伝染力は強くない。

症状と原因

ヒトパルボウィルス(HPV)B19 の感染で発症し、妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんが奇形児になることが多い。

感染後9日めくらいで発熱やのどの痛みなどがあらわれることもあり、18日めくらいに、顔の両頬一面に、リンゴのような紅斑ができる。口のまわりや額にはほとんどあらわれないで、両頼にちょうど蝶が羽根を広げたような赤い斑点が出るのが特徴である。やがて、紅斑は手足や腎部にも広がっていくが、胴体にはあまり出ない。

治療

発疹部にかゆみを伴う場合は抗ヒスタミン剤を用いる。

猩紅熱

溶連菌感染症のひとつのかたちで、ベータA群β溶連菌と呼ばれる菌が原因となって飛沫感染する。扁桃のはれに発疹が合併した状態を猩紅熱と呼ぶ。

症状

潜伏期間は3日くらいで、突然38~39度の熱を出す。寒け、頭痛、のどの痛みを訴え、扁桃がはれ、ときにはうみがついたり、嘔吐がみられたりする。

首のリンパ節もはれて痛み、舌の乳頭が赤くはれ、ブツブツが大きくなり、いわゆるイチゴ舌になる。有髪部、手のひら、足の裏、口のまわりを除き、全身の毛穴に鮮紅色の発疹もあらわれてくる。

しかし、最近は早期に抗生物質を用いるので、発疹が出ることはほとんどない。発熱後、7~10日間で熱は下がる。発疹も3~7日で消えるが、2~3週間後に、わきの下、手指の先端、爪の根もと、そけい部の皮膚が米ぬか状やウロコ状にむける。また、手のひら、足の裏の皮膚は膜のように大きくむける。

診断

咽頭のぬぐい液による迅速診断、血液検査、咽頭培養などを行う。

治療

医師の指示により抗生物質を内服する。溶連菌感染症にかかると、急性腎炎やリウマチ熱を併発することがあるので、注意が必要である。

風疹

幼稚園や小学校で5~10年周期で流行する。原因は風疹ウィルスで、一度感染すると二度かからないが、乳児期での感染では再感染もある。

症状

発熱とともに全身にピンク色のあわ粒か、それよりもやや大きめの発疹が出る。耳の後ろや首、わきの下などリンパ節がはれるのが特徴で、これが診断の目安となる。

熱は出ないこともあり、出ても38度くらいまでのことが多い。2~3日後に熱は下がり、発疹も消える。あとが残ったり皮がむけることもない。

治療

特別の泊療は必要なく、2~3日安静を守れば治ってしまう。熱が38度を超えた場合には、からだを冷やすようにする。

予防

免疫のない妊娠初期の女性が感染すると、胎児に感染して、白内障、心臓奇形、聴力障害などの先天性風疹症候群にかかった赤ちゃんが生まれる恐れがある。

予防接種により、今ではかなりの成人女子が免疫をもっているが、必ず妊娠前に検査をしておく必要がある。生後12ヶ月を過ぎた子どもや、風疹抗体をもっていない妊娠前の女性は予防接種を受けておきたい。