インフルエンザ

かぜの一種で、流行性感冒ともいう。インフルエンザウイルスが原因で発症し、1~2日間の潜伏期間がある。

症状

鼻水や咳に続くか、あるいは突然に、寒けや頭痛、発熱が起きたり、引き続き食欲不振や倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状があらわれてくる。型によって、下痢や嘔吐などの消化器症状、眼症状、喘息、熱性けいれんなどがみられることもある。

熟は、はじめ39度~40度まで上がり、これが3~4日続いたあと下がる。

熱が下がるとほかの症状も軽くなる。乳幼児の場合は大人よりかかりやすく、ときに脳症や肺炎、細気管支炎を起こしやすい。併発すると重症化するので、早期に治療を受け、余病を併発しないよう十分な注意が必要である。

治療

特効薬が開発されたので、すぐに受診して治療を受ける。しかし、脳症の完全な予防にはならない。合併症では抗生物質なども用いられる。自宅では、体温を下げて安静にする。

予防

インフルエンザは予防接種である程度予防できる。インフルエンザウイルスにもいろいろな種類があるため、必ずしもこれから流行するウイルスに対して有効とは限らないが、軽い症状ですむことが多いといわれている。幼い子どもの場合でも、インフルエンザ脳症の予防のために予防接種はぜひ受けておきたい。

脳炎・髄膜炎

脳に炎症が起こるものを脳炎といい、脳や脊髄をおおっている髄膜に炎症が起こるものを髄膜炎という。両方が同時に起こることもある。

症状

おもに高熱と頭痛があらわれる。乳児期では、はっきりした症状があまりみられないが、ぐったりとして元気がなく、光をまぶしがって目をそらす、吐くなどの症状があらわれ、さらに進行するとけいれんを起こす。

髄膜炎では、うなじの部分がかたくなり、寝かせて首を前に曲げたときに痛がるようなら注意が必要である。

原因

ウィルスや細菌の感染が脳や髄膜に及んだためで、はしか(麻疹)やおたふくかぜなどの合併が多い。

治療

早急な入院治療が必要で、細菌性の場合は抗生物質の多剤点滴が行われる。また脳圧を下げるために、副腎皮質ホルモン剤や抗けいれん剤が用いられる。ヘルペス脳炎には特効薬のアシクロビルが使われる。

髄膜炎でもウィルス性の場合は比較的予後は良好だが、細菌性では知能障害やてんかんなどの後遺症を残したり、生命にかかわることもある。予防のために、はしかやおたふくかぜ、風疹、日本脳炎などの予防接種は必ず受けておきたい。

甲状腺機能低下症

母親の甲状腺機能亢進症治療による二次的な病気で、甲状腺ホルモンの分泌低下のために起こることもある。先天性の場合はクレチン症(先天性甲状腺機能低下症) に、後天的に発病した場合は粘液水腫となる。

クレチン症

症状

初期は黄疸が長びき、補入力が弱い、体重増加不良、体温が低い、便秘、貧血、むくみ、皮膚の乾燥、臍ヘルニア(でべそ)などの症状があらわれる。進行すると首のすわりが悪い、歩行が遅れるなどの発育不全がみられ、しだいに鼻が低く、目の間隔が開き、舌が厚くて大きく、唇も厚くなるなどの特異な顔にをる。知能の遅れもみられ、放置すると痴呆症になることもある。

原因

生まれつき甲状腺が欠損、または発育停止したり、甲状腺はあっても甲状腺ホルモンを合成できないために、甲状腺ホルモンの分泌が正常より少なくなって障害が起こる。

診断

軽い段階では顔つきも正常で、臨床症状で診断するのはむずかしいが、尿検査で早期発見が可能である。

治療

生後1ヶ月以内に甲状腺ホルモン剤の服用を始めるが、この薬は原則として一生、飲み続ける必要がある。早期治僚を行えば知能の遅れなども防げ、良好な生活が可能である。

粘液水腫

症状

皮膚のむくみが全身、とくに顔に強くあらわれ、動作が鈍くなる。皮膚の乾燥、脱毛などもみられる。子どもの場合、早期に発見されることが多く、重症化するケースは少ない。

治療

甲状腺ホルモン剤を一生、服用する。