ネフローゼ症候群

たんばく尿と低たんばく血症、高コレステロール血症を伴う腎炎をいう。

症状

強いむくみが出るのが特徴。しかし初期は進行がゆるやかで、まぶたのむくみの場合は見逃されることが多い。進行すると、とくに顔と足にひどいむくみがあらわれ、尿量も減少してくる。

治療

治療の中心は食事療法と薬物療法で、安静が大切。むくみが強いときには入院が必要である。むくみがあるうちは塩分と水分を制限するが、むくみがとれれば、食事制限の必要はなく、むしろ消化がよく、栄養のバランスのとれた食事を心がけなければならない。

薬物療法として、おもに副腎皮質ホルモン剤の長期服用と免疫抑制剤が用いられるが、肥満になる、細菌やウィルスの感染に弱くなるなどの副作用があらわれるので、必ず医師の指示どおり服用する。副作用は治療が終了すれば、3ヶ月ほどでなくなる。

この病気は治ったり再発したりを繰り返しやすいため、根気よく治療にあたることが大切である。薬を飲んでいる間は、かぜなどをひかないように十分注意し、激しい運動は避ける。

急性腎炎(急性糸球体腎炎)

子どもの腎臓病のなかで最も多くみられる。3歳以下ではまれで、10歳までに多く起こる。

症状

むくみと血尿、高血圧を起こすのが特徴。顔がむくんで目のまわりがはれぼったくなり、向こうずねなどを指で強く押すとへこみができる。数日であらわれればむくみと気づくが、徐々に出た場合は太ったと思われることもある。

尿の回数が減り、1回の量も少なくなり、血液が混じる。しかし、ふつうは肉眼ではわからず、学校の集団健診で発見されることが多い。
ひどくなると、コーヒーのような色になってくる。さらに症状が進むと血圧が異常に高くなり、頭痛や吐きけ、嘔吐を訴え、意識障害やけいれんを起こす。

原因

A群β溶連菌に対するアレルギー反応で腎臓の組織がおかされる。かぜや扁桃炎、猩紅熱などにかかった2~3週間後に起こしやすい。

治療

かぜをひいたあとなどに、顔がむくんで尿の回数が減ってきた場合には、この病気の疑いがあるので、すぐに検査を受ける。急性腎炎と診断されれば入院治療が必要となる。

安静を第一に、治療は食事療法が中心。むくみのある間は、塩分とたんばく質、水分を厳しく制限し、カラシやコショウなどの刺激物も避ける。症状が軽くなるにつれて、少しずつ制限をゆるめていく。

薬物療法としては抗生物質のほか、腎臓からの出血に対しては止血剤、高血圧脳症を起こした場合には降圧剤や鎮静剤、強心剤などが用いられる。一般に子どもの場合は比較的治りやすく、適切な治療を行えば多くは半年から1一年ほどで回復するが、数パーセントは慢性腎炎への移行がみられる。

円形脱毛症

成人の脱毛症のなかで最も多いのが円形脱毛症だが、これは子どもにもみられる。

原因としては自分のからだの毛母細胞を破壊してしまう自己免疫説が最近は有力だが、そのほかにも甲状腺などのホルモン異常説、自律神経不安定説などがある。

子どもの場合、約80%がアトピー性皮膚炎を併発しているが、なぜなのかは不明である。両親や家族の愛情に対する疎外感、過剰な勉強の押しつけ、友人関係など、精神的なストレスが大きく影響している例が多いので、そうした精神面の負担を取り除くことも大切である。
また、脂肪分のとりすぎを避け、海草類などを積極的に食べさせるといった食生活の改善も必要である。