小頭症・頭蓋縫合早期閉鎖

どちらも乳幼児の頭部が異常に小さいまま大きくならない病気だが、小頭症は脳そのものが小さい病気であり、頭蓋縫合早期閉鎖は頭蓋骨のつなぎ目が早い時期に閉じて頭部が小さいままになってしまう病気である。

小頭症

原因がわからない場合が多いが、母胎内にいたときに風疹などのウィルスに感染したり、薬物や放射線の影響を受けたりしたときに起きることがある。また重い妊娠中毒症や胎児自身の染色体異常、遺伝などによっても起きることがわかっている。

症状としては精神の発達の遅れや注意力・集中力の欠如、けいれん発作などが多くみられる。しかし完全に知能の発達が止まるというわけではなく、根気よく教育と訓練を続ければ、その子どもなりに知能は発達していくので、本人と家族の努力が大切である。なお、抗けいれん剤や精神安定剤、脳刺激剤などが用いられることがある。

頭蓋縫合早期閉鎖

頭蓋縫合が出生前、あるいは生後早期に閉鎖してしまうために、頭蓋腔が発達せず、頭が小さかったり、変形をきたす。閉鎖部の違いにより、舟状頭尖状頭、塔状頑などの型がある。知能障害や目の障害を伴うが、早期に縫合部分を開く手術を行えば予防できる。原因は不明だが、遺伝や妊娠初期の障害によると考えられている。

乳児脂漏性皮膚炎

顔や頭を中心にした脂漏部位にできる皮膚炎で、生後まもなくかかることが多い。軽症のものを含めると、乳児の多くにみられる皮膚病である。

症状

頭部、額、まゆ毛部、耳のまわり、鼻翼部などに紅斑や発疹がみられる。このうち、髪におおわれている頭部では乳痴といわれる黄白色の厚いかさぶたがつくのが特徴。かゆみが激しいため、不機嫌が続き、夜泣きをしたり、患部をかいて症状をさらに悪化させたりする。

原因

脂腺がたくさん分布するところに発症するところから、皮脂の分泌異常(過多)が原因と考えられる。

治療

症状を悪化させないように早めの治療が必要。副腎皮質ホルモン外用剤を1一日3~5五回薄く塗り、患部にガーゼなどを当てて包帯をする。かさぶたがついている場合は、はじめにホウ酸亜鉛軟膏を塗り、かさぶたをとってから副腎皮質ホルモン剤の軟膏を用いる。普通は、1~2週間で完治するが、それには医師の指示した軟膏僚法をきちんと守ること。いったんよくなっても、その後の指示を守らないとぶり返す恐れもあるので十分気をつけたい。

生活上の注意

食後は汚れた顔や手をよく洗うこと。入浴は、刺激の少ない石けんを使い、軽く洗い流す程度がよい。

先天性胆道閉鎖症

胆汁を肝臓から十二指腸に送り込む管(胆道)が生まれつきふさがっている病気で、8000人から1万人にひとりの子どもにみられる。

症状

新生児黄痘がとれなかったり、一時的に消えた黄疸が再びあらわれて症状が進み、便が白色になるのが特徴。ふつう、この黄疸と白色便は生後数日であらわれる。2ヶ月くらいになると、肝臓や牌臓が肥大して腹水がたまり、肝硬変を起こす。乳はよく飲むのに、手足が目立ってやせてくるのもこの病気の特徴である。

治療

肝硬変が進むと通常1~2年で死亡するので、診断がついたら手術を行う。胆管と十二指腸をつなぎ合わせるもので、遅くとも生後60日以内に行う必要がある。