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急性咽頭炎

上気道の炎症を指す。熱があって診察を受けたとき、「のどが赤いですね。かぜですよ」といわれることがあるが、このようなときはたいてい急性上気道炎。咽頭だけの炎症は乳児にはほとんどあらわれず、4~7歳の子どもにみられることが多い。

症状

ウィルスによる咽頭炎は、発熱、全身倦怠感、食欲不振、咽頭痛が徐々に起こり、二2~3日めに症状が強くみられ、声がかれたり、せきが出たりする。

また、首のリンパ腺がはれることが多い。2歳以上の子どもに多くみられる溶連菌の感染によるものは、高熱を伴って発病し、頭痛、腹痛、嘔吐がみられることがある。

咽頭痛がないこともあるが、逆につばを飲み込むのも痛いほど、のどの痛みを伴うこともある。多くの場合、熱は1~4日で下がるが、首のリンパ腺がはれる。ウィルス性の場合は、二次感染(細菌感染)を起こし、重症化することがある。急性咽頭炎のあと、熱が下がらない、耳が痛い、むくむ、関節が痛い、顔色が悪く、ゴロゴロしているなどの症状があったら、ほかの病気を合併している心配もあるので医師に相談すること。

原因

細菌やウィルス感染によって起こる。A群β溶連菌の場合、腎炎やリウマチ熱などが続発しないかぎり、ふつうは数日で治る。

治療

消炎剤、鎮咳剤などの対症薬や抗生物質の服用などが行われる。症状が強い場合は、安静が必要である。

扁桃炎

症状と原因

急性の場合、急に38度以上の熱が出て、扁桃が真っ赤にはれる(カタル性扁桃炎)か、扁桃に白い斑点がつく(腺窩性扁桃炎)。原因は細菌やウィルスで、多くの場合、のどの痛みを伴う。

治療

菌が原因の場合には抗生物質を用いる。とくに、A群β溶連菌に対しては、5日間以上の服用が必要である。急性扁桃炎を何度も繰り返す幼児がいるが、毎月または2ヶ月に1回ほどの間隔で発病するような場合は、原因となる菌をきちんと検査することが先決である。
なお、扁桃は上気道感染を防ぐ抗体をつくる働きがあるので、摘出手術による治療はなるべく避けたい。しかし、リウマチ熱や腎炎を引き起こす恐れのあるとき、あるいは耳や心肺機能に障害を及ばす場合は手術が必要である。

喉頭ジフテリア

ジフテリア菌に喉頭をおかされたものを喉頭ジフテリアという。幼児に多く、声がかすれる、イヌの吠えるようなせきをする、呼吸困難になるなどの症状がみられる。
これは喉頭部の偽膜形成によって起こるものである。この偽膜は外からは見えない。治療は、咽頭ジフテリアと同じ。ただし、窒息の恐れのある場合は、すぐに気管切開を行わなければならな