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ぜんそく様気管支炎

ぜんそくに似た症状がみられる気管支炎で、主として乳幼児に起こる。

症状

ゼーゼーという喘鳴を起こし、軽い発熱を伴うことが多い。せきをすることもよくあるが、比較的元気で、気管支ぜんそくのときのような激しい呼吸困難は少ない。

原因

急性気管支炎、反復性気管支炎、急性気管支炎、アレルギー性気管支炎、乳児のぜんそく、慢性気管支炎、先天性喘鳴などの病気が原因で起こる。

治療

必要に応じて抗生物質やせき止め、気管支拡張剤、去たん剤が用いられる。繰り返しても、治療すれば1年ほどで治る。長引く場合は感染症に伴う気管支ぜんそくのことが多い。

生活の注意

10~20%が気管支ぜんそくになるので、繰り返し症状が出るような場合には、適切な治療を行うと同時に、日常生活のなかで体質の改善に励むことも忘れてはならない。感染の症状がなければ、正常な生活をさせ、ふだんから水分の補給を十分に行う。また、かぜをひかないように、薄着の生活でからだを鍛練することも心がける必要がある。

先天性喘息

症状

出生時から数週間以内の乳児が、おもに息を吸い込むときに、ぜーぜー、ごろごろという音をたてる状態のことを先天性喘鳴という。
胸骨の上部が呼吸と一緒に引っ込むようなことがあり、授乳のときに音が強くなる。これはひとつの病気ではなく、さまざまな原因が重なり合って、いろいろな病気が集まったものである。ぜんそくと勘違いする母親もいるが、月齢で区別する。

原因と経過

最も多いのは、喉頭を構成する軟骨組織が未熟なためや、気管の輪状軟骨が軟弱なために起こるものである。生後1ヶ月までにゼーゼーという症状が出るが、一般に全身の状態はよく、チアノーゼや体重増加不良となることはまれで、半年から2歳までの間には自然と消えてしまう。
まれに、喉頭や舌の根もとなどの奇形や先天異常、先天性心疾患が原因となっていることがある。しかし、大部分は特別な治療をしなくても、半年から一年くらいで徐々に改善していく。

急性細気管支炎

乳幼児にみられる特殊な 気管支炎 で、 細気管支 ( 気管支の最先端 )の閉塞を起こす怖い病気である。とくに2~8ヶ月くらいの赤ちゃんに多くみられ、1歳以上になると少なくなる。
繰り返し起こることはほとんどなく、反復する場合は ぜんそく性気管支炎 や 気管支ぜんそく と考えられる。

症状

鼻みずや軽いせきなどで始まり、発熱を伴うこともある。ミルクの飲みも悪くなり、しだいに発作的にぜーぜーしてせき込み、苦しがるようになる。
ひどいときは、呼気に伴ううなり声が聞かれ、呼吸も速くなって1分間に60~80回に達し、息をするたびにみぞおちがへこむような呼吸のしかた( 陥没呼吸 )をするようになる。こうした呼吸がみられると、赤ちゃんはぐったりして、唇や爪が紫色になるチアノーゼがあらわれてくる。

最も危険なのは、呼吸困難が起こってから2~3日間で、その間に十分な治療を行う必要がある。おもに乳児がかかる病気なので、手当が遅れると生命にかかわる危険もあるが、早期に治療すれば、数日で治ってしまうものである。

小さい赤ちゃんで顔色が悪く息づかいも荒く、ぐったりしているときは、熱がなくても、すぐに治療を要することが多い。このような症状は、細気管支炎だけでなく、先天性心疾患や肺炎にもあり、どの場合でも最も危険な状態である。

原因

主としてRSウイルス、そのほかバラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなどのウイルスやマイコプラズマなどが原因で起こり、冬季や初春に地域的に流行する。

気管支末端がむくみなどで閉塞されるため、肺で十分な酸素を取り入れることができなくなり、からだの酸素が不足して呼吸困難などの重大な症状があらわれてくる。

生活の注意

多くの場合、発病の1週間くらい前にまわりの人たちがかぜをひいている。それがうつって発病するので、赤ちゃんのそばにかぜをひいた人を近寄らせないようにしたい。
家庭では保温につとめ、部屋の湿度を上げる。脱水を防ぐために水分を十分とらせて、一刻も早く医師の診察を受けることが大切である。