なんらかの原因で膵臓に炎症が起きる病気で、その結果、消化液やホルモンの分泌に異常があらわれる。

急性膵炎

症状

膵臓痛と呼ばれる上腹部の激痛がある。これはからだの左側にあらわれることが多い。また膵臓の後ろに神経叢があるため、しばしば背中にも痛みがあらわれる。そのほか発熱や吐きけ、嘔吐、冷や汗などが症状の度合いに応じてあらわれる。

原因

膵臓に含まれるたんばく質分解酵素や脂肪分解酵素によって、肺肝臓自体が破壊されることが原因となる。

診断

血液中の白血球を調べるほか、血液生化学検査で血糖値やアミラーゼなどを調べる。また腹部および胸部のⅩ線撮影や、腹部超音波検査も行われる。

治療

発病後2~3日は絶食し、点滴などによって水分と栄養を補給する。症状がおさまったら飲み物で水分を補給するようにし、食事療法を慎重に始める。薬物療法としては、鎮痛剤や消化液の分泌を抑える薬が用いられる。

慢性膵炎

症状

おもな症状は急性膵炎と同じ膵臓痛だが、慢性膵炎の経過中に急性の症状が繰り返されるケース以外は、痛みの程度は軽い。また嘔吐、吐きけを伴うほか、体重減少がみられる。

原因

膵臓が縮んでかたくなり、膵液が分泌されなくなる病気だが、その原因については不明な点が多い。ただ急性膵炎が慢性化するケースは20%以下で、多くは最初から慢性膵炎として発病する。また酒を多く飲む人に多い。

診断

膵臓の組織を取り出して膵生検を行うほか、腹部Ⅹ線撮影や膵管造影などが行われる。

治療

急性膵炎と同じく食事療法が重要になる。また消化酵素の不足は、消化酵素剤で補うようにする。