2015年 3月 の投稿一覧

胃酸過多症

胃酸過多とは、病名ではなく、胃の働きが強まって胃酸が過剰に分泌される状態を指すものである。

症状

胸やけやゲップのほか、空腹時に胃の痛み、もたれを感じるなどがおもな症状で、これらの症状は食事をとると解消する。

原因

胃酸は自律神経の支配を受けて分泌されていて、ふつう食事の前後になると分泌量が増加する。また年間では春と秋に分泌が高まり、夏と冬は比較的少なくなる。胃酸過多症は、食べ物が胃に入っていない空腹時に胃酸が大量に分泌され、とくに夜間に分泌量が増加する傾向が強い。

治療

胃液の分泌を抑え、胃のなかの酸性を中和することに重点がおかれる。そのために制酸剤や自律神経遮断剤などが用いられる。

腸結核

症状

結核菌が腸に感染して起きる病気で、おもな症状は、便秘や下痢といった便通異常、腹痛、発熱である。便通異常は約45% が下痢、約38%が便秘で、そのほか両方がかわるがわるあらわれることがある。
腹痛は右下腹部とへその周囲にあらわれることが多い。また腸内にガスがたまって腹がゴロゴロ鳴る(腹鳴)ことも多く、腸に狭窄が起きれば、激しい痛みとともに、腹嶋が強くなる。発熱は病気が進行するにつれてあらわれるようになり、食欲不振や貧血がそれに伴う。

原因

腸結核のほとんどは、肺結核患者に起こる。回腸の末端部や盲腸周辺に起きることが多く、腸管内部の粘膜にいくつもの潰瘍ができて穿孔を起こすこともある。また腸の近くにあるリンパ節に広がって腸間膜リンパ節結核を起こしたり、結核性腹膜を起こしたりすることも少なくない。

診断

肺結核に続いて起きることが多いので、ある程度の診断はできるが、確かな診断を下すために、まず腸のⅩ線撮影で大腸や回腸下部をくわしく調べ、次いで大腸ファイバースコープなどを肛門から挿入して内視鏡検査を行う。そのほか赤沈検査や糞便検査、その他の生化学検査、一般血液検査などが行われることもある。

治療

肺結核が原因の場合は、まずそれを治すことが先決であり、そのために結核菌に有効な抗生物質の服用などが行われる。それとともに食事療法を行い、消化がよく、カロリーの高いものを食べるようにする。いくつか例をあげれば、白身魚、缶詰の魚、やわらかい赤身の牛肉、鶏のささ身、繊維質の少ない野菜の煮物などである。また衰弱が激しく、栄養補給が必要になる。

急性腹膜炎

腹膜に起こる急性の炎症で、さまざまな原因により起こる。

症状

我慢できないほどの激しい腹痛があり、吐きけや嘔吐、ときに腹部の膨満感を伴う。痛みは一様ではなく、しだいに強くなる。とくに腹部に手を当てて軽く押し、離すと反射的に強く痛む。ひどい場合には全身にショック症状があらわれ、血圧が下がって手足が冷たくなることもある。
さらに進行すると表情が苦痛にゆがみ、腹部が板のようにかたくなる。ただし頻繁な嘔吐がある場合は、時間がたつにつれて脱水状態に陥り、腸管がまひして初期の激痛がいくぶん弱まることもある。

原因

多くは細菌感染によるものである。なかでも、虫垂炎によって盲腸が破れ、穿孔(穴)ができて発症することが多い。
そのほかにも胃・十二指腸潰瘍、腸閉塞などによる穿孔や、腹部外傷によって胃や腸に穴があいたときにも起こる。また、子宮や卵巣の炎かのう症、胆のう灸などの化膿したところから起こることもある。

検査と治療

手遅れになると、生命の危険を伴うので、一刻も早く医師の診察を受ける。採血や腹部触診、X線撮影などで診断し、直ちに開腹手術や腹腔鏡下手術が行われる。