耳が痛い・耳だれがある・聞こえにくい

聴力障害

子どもの難聴は単に聞こえが悪いというだけでなく、言葉の遅れ、知能の遅れ、情緒障害などを伴う。

原因

音が耳から入り、脳に伝わるまでの経路のどこかに障害があるもので、遺伝性、炎症性、外傷、薬物などが原因で起こる。早期発見が大切で、障害の場所によって治療法が異なる。

発見法

現在は検査で新生児期に発見できる。音や言葉への反応を観察し、次のようなとき異常が疑われる。生後1ヶ月の乳児では、突然の大きな音に対してからだをふるわせたり、まばたきしたり、泣いたりという反応がないとき。

3~4ヶ月では、周囲の大きな音で目覚めたり、身動きしないとき。

4~6ヶ月では、音のするほうを振り向かないとき。

6~9ヶ月では、音や声に反応がなく、片言も出ないとなんごき。

10~12ヶ月では、喃語(ング・アックンなど言葉にならない段階の声)も話さず、簡単な言葉も理解できないなど言語の発達が遅いとき。

真珠腫性中耳炎

慢性中耳炎の一種で、鼓膜に開いた穴から上皮が中耳に入り込み、上皮の剥脱角化物がたまって腫瘍(真珠腫)のように見える。

悪臭のある耳だれがあり、難聴を伴うが痛みはない。ただし、真珠腫が大きくなると、周囲の組織を破壊して顔面神経やまひ、めまい、さらに頭蓋に達すると脳膜炎を起こすことがあるので、手術によって早期に治療する必要がある。

鼓室形成術で聴力も回復し、予後も良好である。なお、腫といっても感性のがんではない。

急性中耳炎

乳幼児は耳管が太く短いため、かぜをひいたときなどに、そこから細菌が中耳に入り込んで起こる。はじめは耳がふさがったような感じがして急に激しく痛み、ときに40度近い熟を出すこともある。

乳幼児ではしきりに耳へ手をやる。軽い場合は鼓膜が赤くなる程度ですむが、悪化するとうみがたまり、鼓膜が破れて耳だれとなる。
うみが出てしまうと痛みはひいて、熟も下がる。抗生物質の服用で治るが、再発しやすいので根気よく治療する必要がある。予防のポイントは、かぜをこじらせないことと鼻を強くかまないことである。