2014年 11月 の投稿一覧

脳卒中

脳卒中は、脳の血管障害によって生じる病気が原因で、突然意識障害や手足の麻痺をきたした状態を指すもので、正確には症状であって病気ではない。
脳卒中をきたす病気には、脳出血や脳梗塞(脳血栓・脳梗塞)、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、高血圧性脳症などさまざまなものがあり、それぞれ血管のおかされ方や部位が異なる。なお、ここでは、そのうちでも発病率の高い脳出血と脳梗塞について説明する。

症状

突然の意識障害、手足の麻痺という脳卒中の特徴的な症状を示す。脳出血と脳梗塞、あるいは脳血栓と脳塞栓では若干の違いがある。
脳出血活動時に突然起きることが多く、意識障害や手足のまひなどは急速(たいてい数時間以内)に進行する。ただし出血の度合いが小さいときには症状は軽く、脳梗塞と間違いやすい。
また、しばしば前ぶれとして頭痛を伴う。

脳梗塞脳血栓は安静時に起きることが多く、意識障害は発作のときにはみらわれず、あっても軽い。これは前ぶれとなる頭痛についても同様である。麻痺の進み方は進行と安定が交互にくる階段状のことが多い。
また一過性脳虚血発作による一時的な意識障害や麻痺が、神経症状としてあらわれることがある。

一方、脳梗塞は脳出血と同じく、突然発病する。そして意識障害を除く神経症状(視力・言語障害など)は、症状があらわれた時点で起こる。

原因

脳出血は脳の血管が破裂して血のかたまりができ、脳の組織が破壊される。一方、脳梗塞は脳の血管がつまってそこから先に血液がいかなくなり、脳の機能が働かなくなるもの。
脳出血脳出血の原因としては高血圧が最も多い。高血圧によって血管壁が弱くなり、血圧に耐えきれずに破裂するためで、最大血圧が180mmHG以上の人に起きやすい。

血圧が高い人は 血圧が高い人が注意する食品 の8割ぐらいは頭にきちんとインプットしておいたほうがいい。

また出血は小動脈にとくに起きることが多い。そのほか脳の動脈・静脈奇形や頭部外傷、白血病など出血性の病気、脳腫瘍などが原因となることもある。
脳梗塞の動脈硬化が進んで血管が狭まる場合と、心臓などほかの臓器から血液によって運ばれた血のかたまりや異物が脳の血管に詰まってしまう場合の2つのケースがある。前者が脳血栓であり、後者が脳塞栓である。

検査と診断

症状をみただけでは、脳出血か脳梗塞かを判断しにくいことが多い。また脳腫瘍や白血病など、さまざまな病気が原因として考えられるので、C T検査など全身の精密検査が必要である。

治療

発病直後は脳浮腫があらわれ、それが脳幹部を圧迫して生命を失うこともある。したがって、まず頭部を冷やしたり薬物を用いるなどして、脳浮腫をとる。また脳出血では止血剤で出血を止め、脳梗塞では抗凝固剤で血液が固まるのを防ぐといった、まったく逆の治療を行うので、専門医の治療が望まれる。そのほか意識障害の強い場合には、気道確保の処置をしたうえで酸素テントで治療を行う。なお症状が一定以上重い場合には、手術を行う。

予後とリハビリ

現在では治療技術の進歩によって死亡率は30%前後と大幅に下がっている。脳出血と脳梗塞を比べると脳出血のほうが死亡率は高く、脳血栓と脳梗塞では後者のほうが高くなっている。
ただ死亡率の高い脳出血でも意識障害が中程度の場合、死亡率は30%強だが、軽い場合は10%以下、ない場合には10% といわれている。また意識障害の軽い脳棟塞の場合は、発病1週間くらいまでに病気が徐々に進み、以後は回復に向かうことが多い。

脳卒中になると障害が起きた部分の脳細胞は回復しないが、それまで使われることのなかった細胞が働きはじめて、損傷部分の働きを補うことになる。そのために必要なのがリハビリテーションであり、毎日根気よく行うことで、脳の機能をかなり回復できる。したがって病状が回復期に入ったら、早めにリハビリを開解することが大切だ。とくに脳血栓で意識がはっきりしているケースでは、早期のりハビリ開始日常生活への復帰の重要な決め手となる家庭での療養生活に移ってからもできることは積極的に自分ですることが回復を早めることにつながる

脳卒中の予防に期待されている天然成分

L-シトルリンというスイカの成分から発見された天然成分があります。まだ、それほど周知されている成分ではないのですが、このL-シトルリンという成分が脳卒中(脳梗塞、脳出血)の予防効果に期待されています。
動物実験の段階ですが、豚の脳動脈を単離し、電極刺激下で張力測定実験を行い、結果、NOS(一酸化窒素合成酵素)阻害剤による神経性の血管拡張阻害をL-シトルリンは濃度依存的に回復させることが確認されています。

L-シトルリンは、大脳の血管周辺の神経でLアルギニンに再生されて血管拡張作用を生み出すと考えられています。
L-シトルリンの詳しい効能、効果はこちら。

心臓弁膜症

心臓にある4つの弁がスムーズに開閉しなくなり、血液の循環に支障が出る病気である。先天性のものと後天性のものがあり、それぞれ原因が異なる。

症状

弁膜に発生した障害の程度や弁の種類などによって症状は異なるが、一般にごく初期のうちは症状があらわれないことが多く、その後、動悸や息切れなどがあらわれるようになる。
先天性弁膜症は肺動脈に狭窄が起きることが多いが、軽い場合であれば、たいていが20歳前後まで症状がないまま経過する。ただ狭窄の著しいときは生後まもなく心不全を起こし、チアノーゼなど重い症状があらわれる。後そく天性のもののうち僧帽弁膜症では、塞栓症を起こすことがあり、それが脳に生じると脳卒中を起こすことになる。

原因

先天性の弁膜症は、単独または複数の弁が先天的に奇形である。一方、後天性弁膜症では、心内膜の炎症によって弁に障害が起きるケースが多い。なかでもリウマチ熱による心内膜の炎症が原因となる例が多い。また4つの弁のひとつである僧帽弁の一部にたるみが生じ、心臓が収縮するさいに弁がそり返って、うまく開閉しなくなるケースもある。そのほか心筋梗塞が原因で心臓弁膜症になることもある。

治療

後天性弁膜症の場合は、まず原因となるリウマチ熱や心内膜の炎症、梅毒などの治療が行われる。弁膜症そのものに対する内科的な治僚としては、軽症なら医師の指導で過労やストレス、暴飲暴食に注意して、心臓への負担を避ければ十分である。息苦しさやせき、たん、肝臓肥大など心不全の症状があらわれたら、強心剤や利尿剤などが用いられる。
手術による治療は人工弁の装着が中心だが、僧帽弁膜狭窄症では狭窄部分を切開して広げる手術や心臓カテーテル下の切開術が行われ、閉鎖不全症の場合には弁形成術が行われる。

弁膜症の投薬以外の治療についてはこちら。

バセドウ病(甲状腺機能冗進症)

甲状腺ホルモンの過剰分泌によって起きる病気で、眼球が突出するものを、一般にはバセドウ病と呼ぶ。男性1に対し女性4の割合で女性に多く、とくに20~30歳代の人によくみられる。

症状

動悸や甲状腺の肥大、頻脈、眼球の突出、手のふるえ、疲労感、発汗などがおもな症状で、また食欲がありながら体重が減少するという特徴がある。
このほか微熱や不整脈、皮膚の黒ずみがみられ、情緒が不安定でイライラし、不眠や月経不順を伴うなど、さまざまな症状が徐々にあらわれる。ただ、これらの症状が半分ほどしかあらわれないこともある。とくに甲状腺肥大は男性や高齢者にみられることは少なく、またきわめてまれだが甲状腺肥大を伴わない例もある。また、特徴的な症状として知られる眼球突出は、最近では患者の約半数にしかみられず、顕著な眼球突出例は減っている。

原因

免疫異常により甲状腺を刺激する物質が体内にでき、それが甲状腺を刺激して、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて起こる自己免疫疾患と考えられている。その原因は不明だが、患者の約20% に遺伝関係がみられる。

診断

甲状腺の肥大と頻脈、眼球突出はこの病気の三主徽といわれ、これらの症状があらわれれば、だいたいの診断はできる。また血液検査をすれば甲状腺ホルモンが異常に高い数値を示す。放射性ヨードを飲んで、甲状腺肥大の程度や甲状腺ホルモンの分泌の量をみることもある。

治療

チアマゾールなどによる治療と手術による治療、放射性ヨードによる治療の3つがある。ふつう発病後1年以内であれば薬による治療が主になり、1年以上たった場合や甲状腺の肥大が大きい場合、症状が重い場合に手術や放射性ヨード療法が行われる