2014年 12月 の投稿一覧

多形滲出性紅斑

結節性紅斑と同じくアレルギー性の病気で、手足の関節の背面(手首であれば甲側) に左右対称の水っぽい紅斑ができる病気。とくに30~40歳代の人に多くみられる。

症状

初めて発病した場合には、まず赤い水疱が点状にあらわれ、それがしだいに同心円状に広がっていく。発病に先だって発熱や頭痛、全身倦怠感があらわれることもある。全身の健康にはほとんど異常がなく、2~4週間ほどで自然に治る。ただし再発しやすく、春や秋に決まって再発するというケースもある。

原因

原因としてはいろいろ考えられるが、なかでも多いのが感染や薬剤などに対するアレルギーがきっかけとなって発病する場合である。
ただアレルギーを起こす原因であるアレルゲンがわからない場合もあるし、膠原病や内臓にできた悪性腫瘍が原因となることもある。

治療

原因に応じて、抗生物質の服用やアレルゲンの除去、非ステロイド系消炎鎮痛剤や抗ヒスタミン剤などが用いられる。また重症の例では、副腎皮質ホルモン剤が用いられる。

結節性紅斑

ひざから足首にかけての下腿部外側に、鶏卵大のしこり(結節)ができる。アレルギー性の病気である。しこりは、はじめは鮮やかな紅色をしているが、しだいに暗赤色に変わり、治ったあとも薄い褐色の色素沈着を残すこともある。前駆症状としては、発熱や食欲不振、関節痛、筋肉痛があらわれることが多い。しこりは押すと痛みを感じるが、ときには押さなくても痛みを感じることもある。

原因

細菌やカピの感染をはじめ、サルファ剤などの薬物アレルギーなどさまざまである。また子どもの場合は結核やリウマチの初期症状のひとつとして、また成人こ、ベーチェット病や白血病、膠原病の初期症状のひとつとしてあらわれることもある。

診断

症状が特徴的なために診断は容易だが、確定診断には組織検査などの精密検査を行う必要がある。

治療

安静が大切で、痛みに対しては非ステロイド性抗炎症剤の服用を中心とした治療が行われる。原因となる病気がある場合には、その治療が優先である。多くの場合、2~3週間で治癒するが、なかには回復が遅れたり、再発したりするケースもある。

掌蹠膿疱症

症状

手のひらや足の裏だけにうみをもった膿疱ができる皮膚炎で、かゆみを伴うことが多い。最初はみず虫のような水疱ができるが、みず虫と異なり、1日程度で膿疱に変わること、指の間にはまずできないこと、たいてい両方の手足にできることなどに特徴がある。
膿疱は3~4日で乾燥して褐色になり、1週間ほどで皮がむける。ただこれで治るわけではなく、次つぎと膿疱ができて広がっていく。

原因

原因はほとんど不明だが、慢性扁桃炎や中耳炎、歯や歯肉の炎症などの感染病巣があるとこの病気にかかりやすいとされている。

治療

副腎皮質ホルモン剤の塗布や、その上からラップでおおう密封包帯法のほか、ときには紫外線照射による治療が行われる。
膿疱があるときは、足がむれないようにしたり、入浴時には石けんの刺激をできるだけ避けるなどの注意が必要である。