子供

血管性紫斑病

血管壁の透過性の克進、減弱、損傷時の収縮不全によって起こる紫斑病。アレルギー性紫斑病、アナフィラキシー様紫斑病、シェーンライン・ヘノッホ紫斑病ともいう。

症状

幼児期から学童期にみられ、手足やおしりに盛り上がった紫色のあざができて、同時に粘膜出血、関節痛、発疹、腹痛、腸出血(下血・タール便など) があらわれる。かぜをひいたあとにみられることが多い。

現任

溶連菌(溶血性連鎖球菌という細菌やかぜのウィルス感染によって起こると考えられている。

治療

安静にしたうえで、抗生物質や止血剤、抗アレルギー剤が用いられ、腹痛がひどい場合には副腎皮質ホルモン剤や凝固因子製剤が使用される。

赤あざ・青あざ・黒あざ

あざにはいろいろな種類があり、放置しておいても自然になくなるものから、大人になる前に取っておいたほうがよいものもある。

赤あざ(血管腫)

生まれつき皮膚の血管が異常に増殖したもので、3つの型がある。

症状

生まれたときからみられる平らな赤いシミのようなあざを単純性血しゆ管瞳(ポートワイン血管瞳)という。自然に消えてしまう場合もあるが、通常は消えずに残る。生後まもなく、赤い斑点としてあらわれ、数ヶ月の間に大きくなり、イチゴのように皮膚に盛り上がるものをイチゴ状血管腫という。

生後1~3か月くらいまでは大きくなり、以後少しずつ消えて、4~5歳までにはたいていなくなる。皮膚の深い部分にできた赤あざは海綿状血管建と呼ばれ、大きなコブのようになる。これは自然には治らない。

治療

自然に治るものは、ふつう経過観察が原則。治らないものにはレーザー光線療法が行われる。ただし早期治療が必要な場合があるので、皮膚科医に早めにみてもらう。

青あざ(蒙古斑)

メラニン色素をもつ細胞が皮膚の深部(真皮)にあるため青く見えるもので、東洋人に多いので蒙古斑ともいう。

症状

生後1週間くらいから出てくる。大きさはいろいろで、皮膚の表面はなめらかで異常はない。出てくる場所は腰のあたりが多く、背中やおしりにも出ることがある。

治療

7~8歳までに自然に消えてしまうので、特別な治療は不要だが、非常に目立つものであったり、成人しても消失しないタイプのものはレーザー治療を行う。

黒あざ(色素性母斑)

色素性母斑といい、小さなものがホタロである。生まれつきの場合と、思春期からできる場合とがある。

症状

皮膚の色素細胞が増加してできるもので、表面が平らなものや盛り上がっているもの、ザラザラしたもの、毛の生えたものなどいろいろあり、形やできる場所も多様である。

治療

早期にレーザー治療や形成手術を行う。爪の下、指先、足の裏、手のひらなどにある黒あざは、まれに悪性化することがあるので注意する必要がある。
黒あざが急に大きくなったり、黒みを増したり、周辺に黒い色がにじみだしたときは悪性化が疑われるので、早めに医師の診察を受ける。