2017年 の投稿一覧

肺炎

かつては乳児の死因のかなりの割合を占め、たいへん恐れられていたが、現在は早期に的確な治療さえ行えば、それほど恐ろしい病気ではなくなってきている。

症状

3~4日、かぜの症状が続いたあと、高熱が出る。たんを伴い、呼吸や脈拍が速まり、小鼻をピタピタさせて苦しそうに呼吸をする。
呼吸のたびにみぞおちのあたりが陥没することもある。

また原因となる細菌やウィルスによっては、下痢、嘔吐、けいれん、チアノーゼなどの症状もあらわれる。新生児や未熟児では、熱を伴わずに発病(無熱性肺炎)することもある。

原因

マイコプラズマという病原体による肺炎が20~50% 、ウィルスによる肺炎が20~30% 、残りが細菌性肺炎と考えられている。

治療

重症の場合は入院し、抗生物質を服用する。脱水症状や呼吸困難に対しては、輸液や酸素吸入が行われる。たとえ重症でも、入院して安静を保ち、適切な治療を受ければ命を落とすようなことは少ない。

しかし、月齢の低い乳児や、心臓病などほかの病気をもっている子どもでは重症化しやすい。

生活の注意

薬をきちんと飲ませ、安静を保つことが大切。呼吸しやすく、たんも出やすいように、ときどき上体を高く起こしてやるとよい。汗をかくのでのでこまめに下着を替え、からだをふいて清潔を保つ。また、室内の換気に気を配ると同時に、空気が乾燥しないように加湿し、体温にも十分な注意が必要。食事は、消化がよく、栄養価の高いものを与え、水分を十分にとらせる。ただし、食欲が低下しているので、少量ずつ、回数を多くする。

自然気胸

外傷などが原因ではなく、肺の異常が原因で胸膜に穴があき、胸腔内に空気がたまった状態を自然気胸という。

症状

肺が圧迫され、胸部の不快感、疼痛、呼吸困難、咳などを伴う。

原因

小児の自然気胸は、肺の表面にできた風船のような小さなふくらみが突然、破れて起こるケースが大部分を占める。

そのほか、胸膜の癒着部が何かの原因で裂け、肺内空気が胸膜腔内に漏出して起きる場合、また、肺結核におかされた胸膜から、空気が胸膜腔内に流人して起こることもある。後者の場合は、自然気胸が小児結核の最初の症状となることもある。
小さなふくらみは一種の奇形で、ひとつの場合は少なく、再発しやすい。

治療

安静を保ち、胸膜の破れを自然に癒着させると、肺も再膨張する。しかし、肺が膨張しないときは、胸腔の空気を吸引する脱気法を行う。脱気法でも膨張せず、また再発を繰り返す場合には手術が必要となる。

後天性心疾患

出生後に起こった心疾患のこと。いくつかの種類に分かれるが、いずれも乳幼児より小学生に多くみられる。心筋炎心臓の筋肉(心筋に炎症を起こす病気で、ほとんどの場合、コクサッキーB 群、インフルエンザ、アデノ、サイトメガロ、風疹、などのウィルス感染が原因。
心不全や不整脈による症状が出るが、不呼吸困難やむくみ、ショック状態などがあらわれると生命が危険となる。急性期に入院し、安静を保ち、基礎疾患の治療を受けることが必要である。

特発性心筋症
原因不明の心筋の変性疾患の総称。大別すると肥厚型、拡張型(うっ血型) があり、いずれも予後はよくない。
心筋炎
心臓を包む心膜の炎症。心臓と心膜の間に浸出液がたまるため、いろいろな症状を伴う。若年性関節リウマチやリウマチ熟、川崎病に合併するものが多く、ウイルス、細菌、結核、尿毒症、悪性腫瘍などが原因となることもある。症状は原因や進行の程度によって異なるが、急性の場合は必ず胸痛を伴う。心電図で診断し、港出液が多量にたまっているときは、心膜穿刺する。

細菌性心膜炎
先天性心疾患や後天性心疾患に細菌が感染し発症。抜歯のあとにも起こるので、心臓に病気のある子どものむし歯予防は大切である。