2017年 の投稿一覧

急性虫垂炎

俗にいう盲腸で、子どもの場合は早期に虫垂が破れて腹膜炎を起こしやすい。6歳以下の乳幼児にはめったにみられないが、年齢とともに増え、10歳以上では大人と同じように発病する。

症状

上腹部のへそのまわりが痛み、突然吐きけが起こる
ただし、年齢が低い場人口は症状がはっきりしないことが多く、必ずしも右下腹部が痛むとは限らない。現在はエコーでわかるが、急に進行し腹膜炎を起こして初めて診断がつくこともある。

予防

細菌による食品の汚染の防止や殺菌、手指を清潔に保つことなどが大切である。

細菌性食中毒

腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、ブドウ球菌、病憤性大腸菌、ボツリヌス菌などの細菌が原因である。

症状

細菌によって若干異なるが、ボツリヌス菌を除いて、下痢、腹痛、血便、吐きけ、嘔吐、発熱などがみられ、脱水症状、ショック症状を起こすこともある。

ボツリヌス菌の場合は、嘔吐、腹痛、下痢などの症状に続いて、複視(二重に物が見える)、発語困難、舌のもつれ、呼吸困難などがみられ、呼吸不全で死亡する恐れもある。また、腸管出血性大腸菌O157場合も、溶血性尿毒症症候群や脳症を起こして死に至ることがある。

治療

抗生物質、鎮吐剤、整腸剤などを用いるほか、脱水症状に対しては電解質液を輸液、点滴する。様子をみながら、流動食、半流動食、全がゆと変えていき、有形便になったら通常の食事にする。水分は十分にとらせるが、冷たい飲み物は避ける。

予防

細菌による食品の汚染の防止や殺菌、手指を清潔に保つことなどが大切である。

胸膜炎・膿胸

胸膜(以前は肋膜といわれた) に起こった炎症をいい、胸膜腔に浸出液がたまることが多い。炎症の程度により、乾性胸膜炎、滲出性胸膜炎、膿胸に分けられ、膿胸は胸膜腔にたまった水が化膿菌を含んで膿性の状態をいう。2歳以下の乳幼児に多い。

症状と原因

肺炎に続いて起こることが多く、肺炎の症状に加えて、胸痛がある。

刺されるような鋭い痛みで、深呼吸やせきをすると、さらに痛みは強くなる。痛みがひどいときは、呼吸による動きを少なくしようと、炎症を起こしている側を下にして寝ている。肺炎の経過中に顔色がますます青白くなる、熱が下がらず、食欲不振が続き元気がなくなるなどの症状が出たら、胸膜炎の恐れがある。

胸水がたまると胸痛は消えるが、大量にたまると呼吸困難を引き起こす。結核、リウマチ熟、外傷、まれに胸腔内の悪性腫瘍などから起こる場合もある。リウマチ性では心膜炎や漿膜炎を併発することが多く、熱が高く、胸痛も激しいが経過はよい。1~2週間で熟は下がり、液も吸収されて完治する。

検査と治療

胸部X線、超音波、CTスキャンなどによる検査のほか、胸膜腔に試験穿刺して港出液を検査し、原因を確かめる。原因となっている病気の治療が根本となるが、栄養価が高く、消化のよい食事を与え、癒着防止のための体位変換を行うこともある。
対症療法としては、胸痛に対して鎮静剤などを用いる。胸水の性質によっては、チューブを胸腔内に挿入する場合もある。

予防

肺炎から胸膜炎へ進展させないようにすることが予防の第一。したがって、肺炎にかかったときは、完全に治るまで安静につとめ、栄養に気をつけながら十分な治療を受けることを怠ってはならない。
ブドウ球菌による肺炎の経過中は、十分な治療を受けていても膿胸を起こす場合がある。万一、膿胸を起こしてしまったら、胸膜にたまったうみを早めに出し、抗生物質の服用による治療が行われる。肺炎と同じく、栄養状態を悪くしないように心がけることも大切である。