2014年 11月 の投稿一覧

薬疹

注射や内服などで体内に入った薬の成分が原因で生じた発疹を薬疹という。いわば薬の副作用のひとつで、薬が直接肌に触れることで起きる接触性皮膚炎とは異なる。

薬疹を起こす薬はとくに限られておらず、どんな薬でも起きる可能性があるが、抗生物質や鎮痛剤、解熱剤など日常よく用いられるものに多い。

最も一般的なのは、麻疹に似たものである。また、それ以外に、じんま疹や紫斑、日光疹、固定疹、湿疹、内炎などのかたちであらわれることもある。ときには腎臓障害や肝臓障害、血液障害を起こして生命に危険を及ばすケースもあるので注意が必要。薬疹が起きたら、まず原因となった薬の服用、または注射を中止し、医師の診察を受ける。

粘液水腫(甲状腺機能低下症)

甲状腺機能の低下により起きる病気で、先天性のものと後天性のものがある。前者はクレチン症と呼ばれ、乳幼児期に知能が低下し、小人症となる。

症状

顔がむくむとともに、全身倦怠感や手足の冷え、汗が出なくなる、貧血、声がれ、いびき、脱毛、月経過多などの症状があらわれる。表情がぼんやりした感じになり、動作が鈍くなったり、しゃべるのが遅くなったりする。

原因

成人後発病するのは、甲状腺機能亢進症( バセドゥ病)で甲状腺を手術したさいに甲状腺を切除しすぎた場合や、放射性ヨードを用いすぎた場合などである。また慢性甲状腺炎が長期にわたって続いたり、下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの分泌が低下した場合などでも、起きることがある。

診断と治療

血液検査で甲状腺ホルモン量を調べると、若しく減少していることがわかる。治療には甲状腺ホルモン製剤が川いられるが、これは終生、服川し続ける必要かある。

先端巨大症

成長ホルモンが下垂体から過剰に分泌されるために起きる病気で、末端肥大症ともいう。似た病気に、身長が異常に高くなる巨人症がある。

症状

手足や下あご、鼻、舌など末端部分が太く、巨大化する。そのため歯と歯の間が開き、下あごが突き出すといった特徴的な顔つきとなり、一見してこの病気であることが診断できる。そのほか皮膚が肥厚してザラザラする、汗腺が発達して肌が湿っぽくなる、体毛があらく毛深くなるといった症状がある。
また下垂体の腫瘍が原因で頭痛や吐きけ、視力障害などがあらわれることもある。ただし、これらの症状は長い時間をかけて徐々にあらわれるため、自分や周囲の人が顔つきの変化に気づくときには、病気がかなり進行しているケースが多い。

原因

下垂体に腫瘍ができて成長ホルモンが過剰に分泌されることが原因である。その結果、正常であれば思春期終了時に骨の末端部分(骨端線) が閉鎖して止まるはずの成長がそのまま続き、末端部分が異常に巨大化する。巨人症の原因も同じだが、こちらは骨端線が閉鎖する前に起きる点が異なる。

治療

手術によって下垂体の腫瘍を摘出する方法もあるが、内分泌専門医の指示に従うことが望ましい。また最近では手術ができない場合や、手術後、再発した場合などにブロモクリブチン剤が用いられて効果をあげている。ただし、この方法では成長ホルモンの分泌を永久的に正常化することはできない