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急性肝炎(子供)

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症状

全身がだるくなり、不機嫌で食欲が低下し、さらに吐きけがあり、発熱も伴うなどの症状で始まり、数日のうちに黄痘があらわれる。

子どもの場合、大人に比べて症状は一般に軽いが、まれに激しい症状を起こすこともある。これを劇症肝炎という。

原因

子どもの肝炎はほとんどがウィルスによるものだが、ウィルスの種類によって、経口感染する流行性肝炎(A型肝炎)と、輸血や母子感染(垂直感染)が原因となって起こる血清肝炎(B型・C型肝炎)、そのほかEBウィルス、風疹ウイルス、サイトメガロウィルスなどによるものもある。

治療

特効的な治療法はなく、十分な安静と食事療法、点滴輸液療法が行われる。食事療法では、嘔吐のために食事がとれないときは点滴によって栄養と水分を補給し、徐々におも湯や果汁などを与える。急性症状がとれるにつれて豆腐や白身の魚、卵、鶏のささ身など良質のたんばく質で、消化がよく、脂肪の少ないものを食べさせる。ふつうは、肝硬変に移行することはめったにない。しかし、慢性化すると治りにくくなるため、肝機能検査を定期的に受ける必要がある。

ターナー症候群

女性の染色体が一本少ない、X0の型の性染色体異常により起こる。

母体の中で胎児が男性と女性のどちらになるかというのは、 性染色体によって決まる。 X染色体 と Y染色体 のペア( XY )ができれば男性になり、 X染色体 と X染色体 のペア( XX )ができれば女性になる。

症状

ターナー症候群 は女性のみに起こる病気で、外性器は完全な女性だが、月経や乳房の発育などの第二次性徴がみられない。身長は極端に小さく、翼状頸(鳥が翼を広げたような形の首)、外反肘(ひじが外側にそっている)などの奇形を伴うが、知能障害はほとんどみられない。

治療

低身長には少量のたんばく同化ホルモン、エストロゲン、および成長ホルモン製剤が用いられる。

ダウン症

症状

ダウン症 では、精神発達の遅れがあり、顔つき、からだつきに異常があらわれる。とくに目立つのが顔つきで、丸い顔に細くつり上がった目、低い鼻(鞍鼻)、小さく厚い唇と大きな舌が特徴。
このほか、首が短い、後頭部扁平、耳の奇形、幅広く短い手指、指紋・足紋の異常などもみられる。

新生児期には泣き声が弱々しく、補入力も弱い。心臓疾患やてんかん、白血病を合併することも多く、手足の筋肉は弱く、やわらかい。性質は一般におとなしいが、生活はある程度ふつうにできる。

原因

常染色体の21番めが3本あり、計45五本の常染色体により発症するものが90% 以上を占める。約1000人に1人の発生頻度で、父親や母親の妊娠時の年齢が高くなるほど発症率も高くなる。
母親の年齢が20~30歳では約2000人に1人、35~39歳では約370人に1人、40歳以上では約100人に1人の割合で発症し、45歳になると急激に増え、約40人に1人となる。
また、一度 ダウン症 の子どもが産まれた場合、次の子どもにも約100人に1人の割合で染色体異常があらわれる危険性があるとされている。したがって、次の子の妊娠の前には、その危険性について、専門医の説明を受けることも忘れてはならない。高齢妊婦には羊水穿刺による出生前診断を行うことをすすめる。

治療

生まれてすぐに診断がつくことが多いが、残念なことに根本的な治療法はない。平均知能指数30~70で年齢とともに低下の傾向がみられるが、個人差は大きい。最近では、発育・発達の遅れを防ぐため、新生児期のうちからリハビリテーションなどの特殊な教育が行われている。

家族の対応

わが子が ダウン症 であるというショックから早く立ち直り、積極的に養育に取り組むことが、子どもの発達を肋ける。大切なことは、あきらめずに、専門医とじゅうぶん相談したうえ、その指導のもとで子どもの程度に応じて、もっている能力を伸ばすようにつとめることである。