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精神発達遅滞

神発達遅滞とは、何かの原因によって、精神の発達が妨げられ、知能に障害がみられる病気である。知能指数の程度によって、最重度、重度、皇守度、軽度というように4段階に分けられている)。

発見

一般に重症の場合には、けいれんを起こしやすいなど脳の障害や、奇形、内臓の病気などによって、生後まもなく発見されることが多い。しかし、軽症の場合は、乳幼児健診でも発見されないで、学泰期になって初めて判明することがある。

原因

胎児期における感染や中毒、先天性代謝異常、遺伝子染色体異常、出産時の障害や頭部外傷などのほか、まれに遺伝、あるいは乳幼児期の脳炎、髄膜炎、はしかなど感染症の後遺症が原因となって起こるものである。

治療

この病気の場合、ほかの一般の病気を治療するという意味での治療法はなく、子どもの障害の程度に合わせて、将来を展望したうえでの育児法を学ばなければならない。その意味でも早い時期に気づき、障害をできるだけ軽度にとどめる努力をする必要がある。

発育や機能の発達をふだんから注意深く観察して、もし異常が疑われるようなら、早めに小児精神科医の診察を受けるようにしたい。そして、身体的な障害がある場合には、その治療を行い、同時に、できるだけ多くのことを見たり聞いたりさせて、毎日の生活を豊かにしてやることが大切である。しかし、無理に押しっけたり、また一度にたくさんのことをさせるのは逆効果である。専門医や児童相談所などの専門家とよく相談して、その子どもに合わせた育て方をすることが大切である。

親として、どのような人間に育ってほしいのかとい、孝之方や願いが、そのままその子どもの人格形成に反映するのだということを忘れてはならない。

予防

発生の予防が重要なことはいうまでもない。そのために、いろいろな方策が講じられている。精神発達遅滞の原因のひとつである、フェニールケトン尿症などの先天性代謝異常の早期発見と早期治療のほか、未熟児の出生予防、胎内ウィルス感染の予防、羊水診断による染色体異常の早期発見などが行われている。

甲状腺機能亢進症

甲状腺は下垂体の甲状腺ホルモンの支配を受けて甲状腺ホルモンを分泌するもので、たんばく質の代謝や骨の成長の調節にかかわりがある。
このホルモンが過剰に分泌されるものを甲状腺機能亢進症といい、自己免疫疾患のひとつである。10歳以上の女子、とくに思春期以降に多くみられる病気で、ほとんどの場合、甲状腺のはれを伴ってあらわれる。

症状

疲れやすい、落ち着きがない、食欲は増進しているのに、やせてきた、イライラして性格が変わった、学業成績が落ちてきた、脈が速い、皮膚が汗ばむ、などの症状と、成人ほどではないが甲状腺のはれや眼球突出などがみられる。

また、思春期ごろに、このような症状を伴わないで、甲状腺が大きくはれることがある。これは思春期単純性甲状腺腫と呼ばれ、成長に伴って相対的に甲状腺ホルモンの量が不足し、甲状腺が代謝的に肥大する病気。甲状腺の機能に異常はなく、成長するにつれて自然に治ってしまう。

治療

抗甲状腺剤を2年ほど継続的に服用すればほとんど治るが、甲状腺のはれや眼球突出は消えにくい。甲状腺のはれが大きい場合、また、6ヶ月以内に症状が安定しない場合はほかの治療法となるが、甲状腺機能低下症を残すことがある。

神経性食欲不振症

命が危険になるほど極端にやせても、さらに病的にやせたがるもので、従来は思春期の女性の病気と考えられていたが、最近は小・中学生の女子にも増えてきている。

症状

標準体重より30%以上もやせてしまうケースが多く、それにもかかわらずさらに動きたがる。食生活の面では、自分から節食や拒食をする一方、突然、大食いしたり盗み食いをするなどの異常がみられる。また月経がなくなることも多い。

原因

太ることを嫌い、太っていると思い込み、やせることを望む本人の気持ちが原因。無意識のうちに母親(つまり女性)のようになることを嫌う心理的な規制が働いている場合もある。

治療

食べられるような条件づけをしてやるとともに、高カロリーの食事内容を低カロリーのように見せるなどの工夫をする。効果がない場合は入院治療が必要となる。本人がこの状態を異常と考えないことが多いので、自覚させることが大切である。症状が進行すると生命にかかわることもある。