子供

後天性心疾患

出生後に起こった心疾患のこと。いくつかの種類に分かれるが、いずれも乳幼児より小学生に多くみられる。心筋炎心臓の筋肉(心筋に炎症を起こす病気で、ほとんどの場合、コクサッキーB 群、インフルエンザ、アデノ、サイトメガロ、風疹、などのウィルス感染が原因。
心不全や不整脈による症状が出るが、不呼吸困難やむくみ、ショック状態などがあらわれると生命が危険となる。急性期に入院し、安静を保ち、基礎疾患の治療を受けることが必要である。

特発性心筋症
原因不明の心筋の変性疾患の総称。大別すると肥厚型、拡張型(うっ血型) があり、いずれも予後はよくない。
心筋炎
心臓を包む心膜の炎症。心臓と心膜の間に浸出液がたまるため、いろいろな症状を伴う。若年性関節リウマチやリウマチ熟、川崎病に合併するものが多く、ウイルス、細菌、結核、尿毒症、悪性腫瘍などが原因となることもある。症状は原因や進行の程度によって異なるが、急性の場合は必ず胸痛を伴う。心電図で診断し、港出液が多量にたまっているときは、心膜穿刺する。

細菌性心膜炎
先天性心疾患や後天性心疾患に細菌が感染し発症。抜歯のあとにも起こるので、心臓に病気のある子どものむし歯予防は大切である。

マイコプラズマ肺炎

幼児や学童、若い人に起こる非細菌性肺炎のなかで比較的、多くみられる。ほぼ4年周期で流行する。

症状

せきと発熱が主症状で、はじめは乾いたせきだが、しだいに湿った痰のからんだせきに変わっていく。38~39度の発熱が続き、食欲がなくなることもあるが、全身状態は比較的よく、軽症ですむことが多い。

原因と治療

細菌より小さく、ウィルスより大きいマイコプラズマという微生物によって起こる。潜伏期間は約2週間。痰、せきの対症療法としてマクロライド系の、症状が強いときは一時的にニューキノロン系やテトラサイクリン系などの抗生物質を用いる。胸膜炎を伴うことが多いが、細菌性肺炎と違い、重症化することはない。

ときどき、胸膜腔に港出液がたまることがあるが、肺炎が治れば胸膜炎も治るので、胸膜腔穿刺は行わない。入院せずに治療する場合が多く、2週間くらいで完治。X線撮影でも肺炎の影は写らなくなる。医師の治療を受け、完全に治すことが大切である。

百日ぜき

症状

微熱や鼻みずなどの症状で始まる。しだいにせきがひどくなり、1~2週間で発作的なせきをしだす。せき込んだあと、ヒューという笛のような音をたてて息を吸い込むのが特徴。
2~3週間後、せきは徐々に減少して回復する。

治療

抗生物質を用いる。病状が進行すると効力が落ちるので早期受診が必要。予防接種(DPT)の実施により、現在では発病は減っている。